パワハラの証拠の集め方|注意点も併せて解説
昨今、セクハラやパワハラといったあらゆるハラスメントが問題となる中、パワハラ防止法が制定され、パワハラに対する法的規制が与えられるようになりました。
これによって、会社等の組織内におけるパワハラから労働者を保護することが重要となりました。
もっとも、パワハラを受けたとしても、法的手続きでその解決を図ろうとする際には、パワハラに該当する事実が存在することを判断してもらう必要があります。
事実を認定する際には証拠をもとに行うことになるため、パワハラに対して何らかの請求をする際には、証拠を収集することが大切となります。
また、加害者に任意の請求を求める場合においても、証拠がなければパワハラを認めない場合があります。
このページでは、パワハラの証拠の集め方をその注意点と併せてご紹介します。
パワハラの証拠の集め方
パワハラの証拠として、パワハラ自体が形をもって残っているような場合には、これを保全して残しておくことは重要といえます。
具体的には、メールやチャット等にパワハラに該当する記載が残っているような場合、あるいはこれにあたらなくてもパワハラがあったことを推認する記載がある場合には、スクリーンショット等を用いてこれを保存します。
また、業務命令や配置転換などの通達がパワハラにあたるような場合には形として残っている通達を保管することが考えられます。
ほかにもボイスレコーダーやビデオ撮影を用いて証拠を保全することも有効です。
自ら証拠を作出する際には、どのようなパワハラがあったのかを日記やメモに残しておくことも有効です。
自ら作ったものであるため、それ単体でパワハラを認定することは難しいですが、他の証拠と併せると有効な証拠となります。
加えて、パワハラ被害によって病気などの何らかの損害を被ったときには、その内容を証明できるように、精神科などの病院の診察結果等を準備することが有効です。
職場に証言をしてくれそうな同僚や先輩・後輩がいるのであれば、その人に証言をしてもらうことも考えられます。
証拠は主観的なものよりも客観的に明らかなものの方が証拠としての価値は高いといえます。
そのため証拠を収集する際に、時間が足りないような場合には、客観的な証拠を優先して証拠を収集するようにしましょう。
パワハラの証拠集めの注意点
パワハラの証拠を集めているときの注意点としては、以下のものが挙げられます。
まずは、ボイスレコーダーやビデオ撮影を用いて証拠を収集しているような場合はもちろんのこと、証拠収集は加害者にばれないように行う方が効率的です。
加害者は当然証拠を収集されないように、証拠の隠滅を行う危険性があるためです。
また、退職すると、機密情報等は処分されてしまったり、ボイスレコーダーやビデオ撮影を用いての証拠の収集が難しくなってしまうため、証拠の収集は可能な限り、退職する前に行うことが求められます。
まとめ
以上のように、パワハラ被害からの回復を図るための証拠の収集方法は多数に及びます。
そして、証拠の収集を行う際には、その証拠が本当に証明力を有しているのか、証拠としての価値はどの程度かなど、判断が難しい場合があります。
また、証拠収集のコツもわからない場合もあるかと思います。
弁護士などの専門家に依頼をすると、適切なアドバイスを行い、訴訟などの公的手続きを見据えてどのような証拠を収集することができれば有利に進めることができるかなどの有効な判断を行うことができます。
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弁護士羽鳥 正靖(はとり まさやす)
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- 経歴
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2006年 3月 群馬県立前橋高等学校卒業
2006年 4月 一橋大学法学部入学
2011年 3月 一橋大学法学部卒業
2011年 4月 立教大学大学院法務研究科入学
2013年 3月 立教大学大学院法務研究科卒業
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