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意匠権の侵害にあたる事例|侵害された場合の対処法も併せて解説

意匠権侵害は、侵害に該当するかどうかが非常に分かりづらい分野ですが、意匠権侵害をされてしまうと大きな損害が発生するため、侵害にあたる事例や侵害された場合の対処法を知っておくことは重要であるといえます。

本稿では、意匠権の侵害にあたる事例について、侵害された場合の対処法も併せて解説していきます。

 

 

意匠権について

意匠権とは、デザインを使うことに関する独占権のことを指します。

意匠権が認められるには、特許庁に対して出願を行い、これを登録してもらう必要があります。

 

そして、意匠権侵害に当たる場合とは、独占権が設定されているのにもかかわらず、権利者の許可を得ずに、同様であったり似通っていたりするデザインの商品を販売・輸出・貸出するケースを指します。

 

 

意匠権の侵害にあたる事例について

意匠権侵害は、意匠権の登録を受けたデザインと同一もしくは類似のものが該当します。

 

意匠権侵害が認められた事例として、「体重測定機付体組成測定器」に関する具体例を挙げてみましょう。

これは、測定器について意匠権を持っている「オムロン」という会社が、「タニタ」という会社の測定機の販売行為等について意匠権侵害があると主張して、差止・損害賠償請求を行った事例です。

 

この事例で主に判断の対象となったのは、2つの商品の間で「要部」というデザインの主要な部分が共通するか否かです。

これに関する構成の態様が同じかどうかを主な考慮要素として、全体を見て美感を共通にしているかどうかで、意匠権侵害の有無が判断されました。

 

具体的には、真っ先に目に付く正面から見た部品の配置や形状が考慮されたほか、体組成計がその薄さから注目されたことに鑑みて側面から見た商品の形状も考慮され、これらが要部とされました。

 

一方で、体組成計の裏側については使用者が普段これを目にすることはないという理由から、要部とはされず、考慮対象とされませんでした。

 

結局、この事例では、2つの商品の間で要部における違いが著しく小さいという理由から、意匠権侵害を認めました。

そのため、タニタはオムロンに対する1億円を超える損害賠償を命じられることになりました。

 

 

意匠権を侵害された場合の対処法について

意匠権侵害を受けた場合には、その対処法として、相手方に対して損害賠償請求・差止請求を行うことが可能です。

以下でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

 

差止請求

意匠権を侵害されたときには、その相手方に対して、侵害行為を停止するよう求めることが可能です。

相手方が意匠権侵害となる商品を製造・販売している場合にはそれを停止することができるほか、これから販売する予定の在庫についても破棄を求めることが可能です。

 

 

損害賠償請求

意匠権を侵害され、それによって損害が発生したときには、侵害を行った相手方に対して損害賠償請求を行うことも可能です。

例えば、意匠権侵害となる商品が販売されることによって本来売れるはずだった自分の商品が売れなくなり、得られたはずの利益を失ってしまったときには、その損害を補填するよう求めることができます。

 

 

特許・知的財産については、はばたき法律事務所にご相談ください

以上の通り、意匠権の侵害にあたる事例について、侵害された場合の対処法も併せて解説してきました。

 

意匠権の侵害については、デザインの主要な部分が深く関わってくることがわかりました。

また、侵害された場合には相手方に対し差止めや損害賠償の請求を行うことで、侵害行為をやめさせて損害を補填することになりますが、その際には訴訟も関わってくるため、法律の専門家である弁護士への相談をおすすめしています。

 

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弁護士羽鳥 正靖(はとり まさやす)

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  • 経歴

    2006年 3月 群馬県立前橋高等学校卒業

    2006年 4月 一橋大学法学部入学

    2011年 3月 一橋大学法学部卒業

    2011年 4月 立教大学大学院法務研究科入学

    2013年 3月 立教大学大学院法務研究科卒業

  • 所属団体
    • 群馬弁護士会

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